風が連れてゆく

まだ見えない旅路の先へ

ロストインタイムと私 から更に10年

ロストインタイムとわたし」とは
デビュー10周年の2012年に発売されたLOST IN TIMEの2枚組ベストアルバムの為にドラムの源ちゃんが書いた26頁にわたる10年史のタイトルで、
そこから更に10年。
私なりのLOST IN TIMEへの想いを、ボーカル海北くんへの感謝も込めて書いてみたくなりました。

音楽は私を支えてくれるもの。救ってくれるもの。
そのなかでもLOST IN TIMEの音楽に、海北くんの優しく強い歌声に、何度も助けてもらっています。

LOST IN TIMEを知ったのは2004年。
スペースシャワーTVで見た「あなたは生きている」に撃ち抜かれた。
https://sp.uta-net.com/movie/47484/

STUDIO GROWN」という番組で中田裕二くんとふたり(後にレミオロメンの神宮寺くんとふたりにもなった)で毎週水曜日にVJもしていて、海北くんのゆったり口調のお話しが聞けるし、ときどきある弾き語りなどもとても楽しみで。
この頃もすでに星の話しもしていたはず。
話題も豊富で優しく朗らかな人柄も垣間見えて、バンドマンっぽすぎないかんじもいいなぁと、そのときも思っていた。
あぁ、見られるならもういっかい見たい!
スペシャさん再放送とかしませんか!

「あなたは生きている」は2ndアルバムに入っていて、3枚目のシングルにもなっている。
ギターロック全盛期に、この静かな世界は私の中にすーっと入ってきて、それからずっと大切な曲のひとつ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
f:id:umyumy:20220226015554p:plain
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

でも、アルバムを聴いてはいたけど、バンドのライブは熱そうでなかなか行けずにいたのでした…。

その後、海北くんはバンドと並行して弾き語りのツアーを始めて、私の地元にもよく来てくれたので、通うようになります。

初めて生で聴いたときの衝撃は忘れられない。
声が、胸から出ている!と思った。
喉でも口でもなく、直接胸のあたりから、会場全体に響いている、とわたしには感じられた。
歌声が空気を震わせ、全てを包んでいる感覚。
ギターや鍵盤での弾き語りがまた良くて…
ライブ中に話してくれるひとことにそっと背中を押されることも多く、その時期つらいことが多かった私は何度もこっそり泣いた。
会場限定のCD「海北盤」を本人から買えるのも楽しみだった。
話すと少し下がるやさしい目尻とあったかい手。
歌にも人柄にも、たくさん元気をもらっていた。

バンドのライブも行ってみよう!とライブハウスに行ったとき、チケットSOLD OUTでほぼ男子でパンパンで、予想通り熱かったけど、「線路の上」のアウトロで男子たちがみんな歌うところに感動!!
そしてバンドのライブも東京遠征もして見に行くようになる。

今年で11年。
東日本大震災があったとき、東北にいた私は大切なものをたくさん失った。
そのときも、海北くんは配信で何度も歌ってくれていた。
停電が長引いたり、生活が元に戻らなかったりで、なかなか音楽を聞く生活に戻れなかったけれど、
やっと余裕ができたときに、その動画を後追いで少しずつ見ることができた。
あとから見ても、見ることであの日あの期間大変だった日々が「大丈夫だよ」と慰められて、心の傷を治してもらえたと本当に思っている。

ツラいときに聴きすぎて聴くのがツラい…って曲があったり、
いつどんなときに聴いてもフワッと自分が少し持ち上がるような気持ちになる曲があったり、
LOST IN TIMEの音楽は、海北くんの歌声は私の中に深く沁み込んでいる。

震災後、無意識な心ない言葉に傷付いていたときも
「五月の桜」が助けてくれた。
3月から仙台で桜が咲く頃までは特に、毎年よく聴いている大切な曲。
f:id:umyumy:20220302090348j:plain
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「燈る街」で、あの日を忘れずにいられている。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
f:id:umyumy:20220302223330p:plain

想像していたことも、予想していなかったことも
いろいろと起こって東京に住むようになってからは
「明け星」と「home」が沁みる…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
f:id:umyumy:20220302223558p:plain
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
コロナ禍になって、会いたい人に会えなかったり
帰りたい所に帰ることも
行きたい所にもなかなか行けなかったり
悲しいニュースに沈んだりももするけれど

"ここまで来れたのは
このまま進めるのは
君がいたからだと
君に伝えるために"

心動かすたくさんの言葉をありがとう。
あたたかく強い音楽をありがとう。

少しでも伝わってくれますように。

すべてを愛する

『LOVE ALL SERVE ALL』発売が発表されましたね!
どんな意味が含まれているんだろ?と検索してみたら
奥がとっても深く、とても軽くは書けません。

ただ、藤井風という素晴らしく尊い存在が、わたしたちに掲げてくれるメッセージをきちんと受け取りたいな、と強く思いました。

配信や全ての発信してくれているものを見ていていつも思うのは
この人はわたしたちを信頼してくれている
ということ。

どうしてこんな表情ができるんだろう?
どうしてこんなに自然に画面に向かって話せるのだろう?
と、見ながら思うこともあって、
それがまた この人いくつなんだっけ?と思わせる一因でもある。
達観している、とか人生何回目?とか、よく言われているが
それもあるけどそれ以上に、すべてを愛している
からなのかと気付く。
すべてを許し、すべてを歓迎している。

こんな人には出会ったことがない。
きっと、これからもないだろう。

すごい人に出会ってしまった…。
うん、でも出会えたことには意味があるから。

「もしあなたが "すべてを愛し すべてに奉仕し(敬意を持ち)
 常に助け 決して傷つけない" ことを実践するなら
どんな害悪もあなたに起こらないでしょう」

この想いが根っこにあるから、いくつであろうと
『いい人間でいたら、いい音楽も生まれてくれる
 与えられるんじゃないかと思う』
と言えるのだろう。

より良い世界にしよう
みんなが幸せで自由になれるように

そう願いながら作品を届けようとしてくれている。

まだ2ヶ月ある。
発売まで、しっかり受け取れるように
こちらの心も少しでも近くに行けるように
怠けずに準備をしていかなくては💪

良い楽器であること

反田恭平
藤井風

幼い頃からピアノを弾きつつ、サッカーやバスケットを続けたふたり。

反田さんは「題名のない音楽会」で手のひらにある【ラフマニノフ筋】や【リスト筋】について話しているのを見て
おもしろいピアニストだな〜と思ったのが最初の記憶。
ピアニストというとアジア人はどうしても細身なイメージが多いなか、反田さんは格好も髪型も哲学を感じるし、打鍵も強くて、惹き込まれる演奏。
話し方もしっかりとされていて、年齢よりも上に見えるところも日本人っぽくなくていいなぁと。

2021年のショパン国際コンクールで日本人として51年ぶりの快挙である第2位という素晴らしい結果を出して
クラシック界だけでなく、その名を一気に知らしめました。
私もYou Tubeの生配信で見ていましたが、
演奏ももちろんでしたが、演奏を終えた後のスタンディングオベーションがずーっと続いている映像に鳥肌が止まりませんでした。

報道ステーション」を見て藤井風沼へとダイブした私ですが、
You Tubeを遡って見ていてなにが良いかって、鍵盤を弾く姿が楽しそうすぎて、見ているだけで笑顔になってくることでした。
どの曲もその曲へのリスペクトを感じるし、自分のなかで解釈したアレンジも素晴らしく、ユーモアある演出もあって、
どれをどんなに見ても、もっと見たくてしばらく寝不足続きでした。
そして、あんなふうに鍵盤から打楽器のような音が出ることにも驚きでした。
"打鍵が強い"ことで出る音なのだとあとから知って、それにも驚きました。
毎日何時間も弾き続けることでできたグルーブある打鍵の強さなんだろうなぁと。

そんなふたり。同じことを言っているのです。
自分は『楽器である』と。

反田さんは「体が楽器」だから「トレーニングで必要な筋肉を付ける」と言い、
風くんは「自分をアップデートして、いい楽器でいられるうちは、ずっと頑張りたい」と言っている。

私は少し鍵盤を弾く程度で、他は何も弾けず楽器に親しみがあるとまでは言えないので、その感覚に驚愕しました。

反田さんは、コンクールでファイナリストになるような人はみんな"人間力も大きい"のだとインタビューで言っていた。
どの世界も人を魅了し何かを成し遂げる人はそうなんだろうなぁ。

そんな人たちがいてくれて、その才能を見せてくれることに
心からのお礼を言いたい。
この混沌とした世界にあなたたちがいてくれて、どんなに助けられている人がいることか!
そしてその姿を見たいときに見られる時代にいられることに感謝です。

また、そんなふたりに出会わせてくれたテレビ朝日さんにも大感謝!!

「ヴォイス・オブ・ラブ」を見て里庄を思う

カナダのちいさな町で大家族・14きょうだいの末っ子として
音楽に囲まれながら愛をたくさん受けて育ち、
天真爛漫な人柄で、
類い希な才能を小さな頃から発揮し、
家族が送ったカセットテープが
運命の人でもある名プロデューサーに届き、
世界に羽ばたくスターになっていく…

人口1万人の里庄町で4人きょうだいの末っ子として
音楽の絶えない喫茶店の実家で大切に大事に育ち、
ピアノの才能を小学生の頃から家族の提案と協力で
You Tubeで発信を始め、
やがて素晴らしい歌も披露するようになり、
運命の人である名プロデューサーが里庄に迎えに来て、
魅力的な人柄も含めてますます世の中に知れ渡り、
日本だけでなく世界中にファンのいる
ミュージシャンになっている…

共通点のあるふたり。
共通点のある物語。

ダンスを習い、英語を勉強し、歯の矯正も。

セリーヌ・ディオンのファンではないけれど
彼女の生き方に興味があったのと、
フランスのコメディエンヌでもある
ヴァレリー・ルメルシエが主演・監督・脚本を
担当しているということを知り映画館へ。

カナダ→フランスそしてアメリカのエンターテイメント界へ、
スーパースターの誕生ときらびやかな生活とその苦悩、
辛い時間の中にもユーモラスな場面があって
セリーヌの実話だけではないとはいえ、
彼女の孤独を描きながらも苦しさはなく見れた。

定期公演を専用の劇場で毎晩3年間続けるってどういうこと?!
日本のエンターテインメント業界とだいぶ規模が違うんだなぁ…

セリーヌ・ディオンの出身地、
カナダ ケベック州シャルルマーニュの人口は
Wikipediaによると2001年から2011年まででも
6000千人未満。
里庄町よりも少ない。
そんな故郷から、生まれ持った才能とそれ以上の努力で
世界へと羽根を広げて行くふたりを重ねて見てしまっていた。

セリーヌの曲がほとんどの中で、終盤にかかる
Rufus Wainwrightの「Going To A Town」という曲がまた
どこか藤井風を思わせる声で(私だけかもしれないが)、
見ていてハッとする瞬間でもあった。

https://eiga.com/movie/95371/

https://youtu.be/-J2UH_C64ZY

風の時代への感謝

2022年になりました。はじめまして。
どこかに感謝の気持ちを表したくて、
でも文章が長いからSNSは無理そうで、
2021年のうちに始めようと思っていたブログ、やっとです。

出会いからの経緯を、ざっと説明させてください。

2020年から2021年春頃まで、仕事が目まぐるしく
好きな音楽も聴けない日々でした。
歌詞のあるものが聴けなくなり、
音楽はピアノやクラシックだけ、ラジオは聞けていました。
テレワークのときはラジオを聞いていて
気になる名前と曲と声に出会います。
ググってみた画像がスカしたかんじに見えて
ふーんと思っただけでそこで止まっていました。

3月になり体調を崩して(花粉症のせいでしたが)
微熱で休んでいるときに、報道ステーションにその
気になる名前があったから録画。
次の日に録画を見て…そのまま沼へとダイブでした。

通院するときも、ずーっと聴いていて
家ではYou Tubeを過去へどんどん遡る。
見ても見てもまだまだある幸せと見きれない焦燥感。
時間が足りない!と、こんなに思ったことないかも。

これまでも、音楽は私には欠かせないもので、
何度も音楽に助けられてきたと強く感じています。

東日本大震災後なぜか女性の歌が聴けなくなってしまったり
最愛の人を病気で亡くした4年前からは恋愛の曲が聴けなくなったり
そんなこともありながら、音楽はなくてはならないもの。

人生の転換期のさなかに、私は藤井風という人を知れた。
その人の音楽に触れ、考え方に触れ、
私の中身は相当の入れ替わりが起きました。
周りの人たちとの関わり方が変わり、
そしてなにより自分に優しくなれました。

自分に優しくなると、周りにも優しくなれて
つらかった仕事を変えて、毎日が楽しくなり
次はどんな景色を見せてくれるのかなぁと
先がたのしみで仕方ない日々。

いくつになっても変われる。
愛する人がいなくなった世界で生きていて、
終わったものと思っていた人生だったのに、新たな扉が開いた。
誕生日の少し前に、私のなかの神様は
藤井風という素晴らしいギフトを届けてくれた。

2021年の漢字なんて、「風」以外ありません。
そんな1年になりました。

【資本の時代である「地の時代」が終わり
 知や関係性・情報・コミュニケーションなどが力を持つ
 「風の時代」が2021年に始まった】のですから!