風が連れてゆく

まだ見えない旅路の先へ

良い楽器であること

反田恭平
藤井風

幼い頃からピアノを弾きつつ、サッカーやバスケットを続けたふたり。

反田さんは「題名のない音楽会」で手のひらにある【ラフマニノフ筋】や【リスト筋】について話しているのを見て
おもしろいピアニストだな〜と思ったのが最初の記憶。
ピアニストというとアジア人はどうしても細身なイメージが多いなか、反田さんは格好も髪型も哲学を感じるし、打鍵も強くて、惹き込まれる演奏。
話し方もしっかりとされていて、年齢よりも上に見えるところも日本人っぽくなくていいなぁと。

2021年のショパン国際コンクールで日本人として51年ぶりの快挙である第2位という素晴らしい結果を出して
クラシック界だけでなく、その名を一気に知らしめました。
私もYou Tubeの生配信で見ていましたが、
演奏ももちろんでしたが、演奏を終えた後のスタンディングオベーションがずーっと続いている映像に鳥肌が止まりませんでした。

報道ステーション」を見て藤井風沼へとダイブした私ですが、
You Tubeを遡って見ていてなにが良いかって、鍵盤を弾く姿が楽しそうすぎて、見ているだけで笑顔になってくることでした。
どの曲もその曲へのリスペクトを感じるし、自分のなかで解釈したアレンジも素晴らしく、ユーモアある演出もあって、
どれをどんなに見ても、もっと見たくてしばらく寝不足続きでした。
そして、あんなふうに鍵盤から打楽器のような音が出ることにも驚きでした。
"打鍵が強い"ことで出る音なのだとあとから知って、それにも驚きました。
毎日何時間も弾き続けることでできたグルーブある打鍵の強さなんだろうなぁと。

そんなふたり。同じことを言っているのです。
自分は『楽器である』と。

反田さんは「体が楽器」だから「トレーニングで必要な筋肉を付ける」と言い、
風くんは「自分をアップデートして、いい楽器でいられるうちは、ずっと頑張りたい」と言っている。

私は少し鍵盤を弾く程度で、他は何も弾けず楽器に親しみがあるとまでは言えないので、その感覚に驚愕しました。

反田さんは、コンクールでファイナリストになるような人はみんな"人間力も大きい"のだとインタビューで言っていた。
どの世界も人を魅了し何かを成し遂げる人はそうなんだろうなぁ。

そんな人たちがいてくれて、その才能を見せてくれることに
心からのお礼を言いたい。
この混沌とした世界にあなたたちがいてくれて、どんなに助けられている人がいることか!
そしてその姿を見たいときに見られる時代にいられることに感謝です。

また、そんなふたりに出会わせてくれたテレビ朝日さんにも大感謝!!